富山県のトレードマークである環水公園を散歩すると見えてくる富山県美術館。

くまのオブジェが有名ですが、コレクション展(常設展)にはピカソやミロなどの名だたる芸術家の作品が展示されています。

のどかな公園の先で歴史と文化・芸術の深い密接な関わりを学べる絶好のスポットです。

 

コレクション展のギャラリー

コレクション展では3つのテーマにちなんだ作品が展示されています。

  • 人を描く-描かれた人
  • 反響=エコー
  • 永遠の瞬間

 

デイヴィッド・ホックニー『髪を梳かすアン』

現代美術の最高峰と呼ばれるイギリスの美術家デイヴィッド・ホックニーの作品。髪を梳かすという、女性に欠かせない日常の一部が切り取られています。

パブロ・ピカソ『肘掛けの椅子の女』

キュビズムの影響を受けたカラフルな作品をイメージするピカソ。繊細な曲線で描かれた絵画を観られるのも貴重です。

 

マルク・シャガール『山羊を抱く男』

黒目がちの人物や動物が印象的なマルク・シャガール。シャガールの故郷ヴィテブスクでの情景です。

 

ルネ・マグリット『真実の井戸
語りつくせないみどころ

マン・レイの代表作「オブジェ」の作品も。メトロノームに片目という斬新な発想です。写真は元恋人の目で、彼女との別れによる悲しみの中で創作されたのだとか。

アンディ・ウォーホルのマリリンやジョージ・シーガルの彫刻

 

デザインコレクション

多くのポスターが展示されているデザインコレクションコーナーでは、グラフィックデザインを楽しめます。(写真撮影不可)

横のコーナーには豊富な種類の椅子が並べられています。

一部の椅子は座ることができたので、休憩にもちょうどよかったです。

 

 

瀧口修造コレクション

芸術家・作家と交流のあった富山県出身の瀧口修造氏がコレクションしていた思い出の品が展示。芸術への愛を感じました。

瀧口氏と交流のあるアンフォルメルのアーティストの作品展示も。

アンフォルメル特有の混じった色彩を活かす雰囲気で、落ち着いた気持ちで作品を眺めることができました。

アンフォルメルとは

第二次世界大戦後にフランスを中心に興った前衛芸術運動。幾何学的な抽象画が主流であったものの、戦争を通して表現方法が見つめ直されるようになった。芸術家たちはより自由に、枠にとらわれない抽象画を描くようになった。アンフォルメル(informal/非定型)に由来し、フランスの批評家ミシェル・タピエが名づけたものである。

シモン・ゴールドベルグ&山根美代子コレクション

ポーランド出身で富山県で没したヴァイオリニスト。

ジャック・ヴィヨンの作品を中心に、ゴールドベルグの人生に影響を与えたコレクションが展示されています。

戦争による芸術の抑圧を経た、波乱万丈な人生の一部に触れることができます。

ジャック・ヴィヨン『戦い』

 

AIが人の動きに合わせてアート作品を作る

ある部屋では、大きなスクリーンに自分の姿が映されます。

画面に映った自分の姿に合わせてAIが画面上でアート作品を作ってくれるのです。

できるとこのようなかんじ。

躍動感があるともっと豪快な作品ができるのだと思います。

子供も楽しめるコーナーですね。

話題のくまはこんなところに

アーティストの三沢厚彦さんが手がけた『クマ』は、堂々と飾られているというより、階段を降りたところにどっしりと構えてお迎えしてくれました。

近づくとオッドアイで、おしゃれです。

外にはユニークなオブジェ

富山県美術館のアイコン的存在のくまのオブジェですが、実は屋外に大きさの異なるオブジェが感覚を開けて並んでいます。

 

魅力いっぱいの富山県美術館

名作品、モダンアート、芸術を愛した者のコレクションなど、見どころが満載。

歴史に思いを馳せながら、アート作品に没頭できる空間です。

富山県と所縁のある人物の作品コレクションも、この地で鑑賞することで人・地域・歴史・芸術のかけがえのない結びつきを実感しました。

300円でコレクション展(常設)に入場できますが、値段以上の充実した時間を過ごせたように感じます。

環水公園を訪れる際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。