グラスゴーってどんな街?

グラスゴーは、ロンドンから飛行機で1時間半ほどの距離で、電車で到着するスコットランド最大の都市。首都はエディンバラですが、産業都市グラスゴーも芸術や建築、音楽の都として負けない魅力があります。重厚なヴィクトリア朝様式の建物から、アール・ヌーヴォーの傑作、そして現代建築まで、時代を超えた様式の建築物が調和を保ちながら街並みに息づいている様子からも、その魅力が明らかです。かつては造船業で栄え、ロンドンやパリと並ぶ大都市でした。第二次世界大戦後に産業は一時廃れながらも、都市再生プロジェクトと文化政策により1980年代以降に復活。そして、1990年に、「欧州文化首都(European City of Culture)」に選ばれました。古き良き伝統と現代文化が共存するエネルギーに満ちた都市で、訪れる人はその多面的な魅力に心奪われます。

グラスゴーの魅力

芸術

ヨーロッパの芸術運動“アール・ヌーヴォー”の影響を受け、独自に発展させた「グラスゴー・スタイル(Glasgow Style)」が残るグラスゴーには、バリエーションの豊富な博物館や美術館、世界的に有名な美術学校があります。建築家・デザイナーのチャールズ・レニー・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)や、その妻マーガレット・マクドナルド(Margaret Macdonald Mackintosh)が代表的な芸術家たちです。また、ケルト音楽とスコットランド伝統音楽から現代的なロック・ポップスなど、音楽活動も活発で、“ユネスコ音楽都市”に認定されています。有名なライブハウスやさまざまなジャンルの音楽イベントがあるなど、音楽好きにもたまりません。

 

グルメ

スコットランドの郷土料理には、ハギスやスコッチブロス、ポリッジ(お粥)などがあります。またグラスゴーは内陸ですが、近くの海や川から新鮮な魚介類を楽しめるのも魅力。牡蠣や帆立、サーモンが有名で、生牡蠣にシングルモルトのウイスキーを垂らして食べるのがスコットランド独特の食べ方です。生牡蠣の潮っぽさとウイスキーのスモーキーな風味のハーモニーを楽しむことができます。観光やショッピングで疲れたときには、アフタヌーンティーを楽しみましょう。お土産には、ショートブレッドやスコッチウイスキーがおすすめです。

グラスゴーの見どころ(建造・学校)

グラスゴー大聖堂(Glasgow Cathedral)

(引用元:公式サイト)

(引用元:公式サイト)

12世紀末に建てられた。グラスゴーの守護聖人である 聖マンゴー(セント・マンゴー / St. Mungo、またはKentigern)が祀られています。宗教改革での破壊を受けず、建築当時の姿をそのまま保ち続けている、歴史的に貴重な大聖堂です。グラスゴーの歴史を達観してきただけに、外観は荘厳な雰囲気で、当時のスコットランド式ゴシック建築やデザインを堪能できます。内側は青く光るステンドグラスが、教会内を美しく照らしています。

 

“嘆きの橋(Bridge of Neigh)”を渡った大聖堂の東側には、“死者の都”と呼ばれるビクトリア様式の共同墓地・ネクロポリス(Glasgow Necropolis)があります。著名な人物をはじめとした50,000人以上の人々が埋葬されており、死亡原因や年齢、性別、職業などが記録されています。墓のデザインは多種多様で、マッキントッシュやアレクサンダー・トムソンが手掛けたモニュメントなど、芸術的です。

 

グラスゴー市内中心部から徒歩で約15〜20分。

公式HP:https://glasgowcathedral.org/

グラスゴー大学

(引用元:公式サイト)

 

15世紀に創設された歴史のある名門大学で、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、セント・アンドリュース大学に次ぐ、イギリスで4番目に古い大学とされています。経済学の父アダム・スミスや蒸気機関車を改良したジェームズ・ワットといった錚々たる偉人を輩出しています。彼らが過ごした聖地を、肌で感じてみませんか。

ネオ・ゴシック様式が美しく、ハリーポッターシリーズのホグワーツを思わせるような世界観で、観光客を魅了しています。

公式HP:https://www.gla.ac.uk/

グラスゴー美術学校

(引用元:公式サイト)

 

世界中のアーティストたちが憧れる芸術教育の名門で、建築ファンの「巡礼地」としても知られています。グラスゴーを代表する建築家・マッキントッシュの出身校でもあります。グラスゴーには、マッキントッシュの作品が多く残されていますが、このグラスゴー美術学校マッキントッシュが設計した階段や照明はマッキントッシュが27歳の時にデザインしたものです。

 

キャンパスでは年に一度、一般向けの展示や公開イベントも行われ、世に生み出されたばかりのアート作品を楽しむことができます。アート初心者からアート好きの方まで、感性が刺激されるはずです。

公式HP:https://www.gsa.ac.uk/

グラスゴー市庁舎

1888年の開設以来、政治の中心であると同時に、芸術的価値の高い観光名所としても。宮殿を思わせるネオ・クラシカル様式で設計された建物で、高貴な雰囲気は引き付けます。重厚感ある扉をくぐれば、ロココ調の天井に豪華なシャンデリア大理石と金箔で彩られ、スコットランドで最も豪華な公共空間ともいえるゴージャスな空間が待ち受けています。

グラスゴーの中心「ジョージ広場」の東側に位置しており、周囲には銅像、記念碑、カフェ、ショップが集まり、散策や観光、ショッピングにぴったり。市庁舎とはいえただの行政施設ではなく、歴史、芸術、そして市民の誇りが詰まった文化財で、ガイドツアーも行われています。

グラスゴーのおすすめスポット(美術館・博物館)

ケルビングローブ美術館・博物館

1901年に開館。22のギャラリーに。名作の絵画から、マッキントッシュによりデザインされたインテリア、恐竜・動物の標本、ミイラ考古遺物、戦闘機など…アート好きから歴史好き、満遍なく楽しみたい人どんな人にもぴったり。

世界絵画最高傑作サルバドール・ダリによる「十字架の聖ヨハネのキリスト」が見れるのはここだ。スコットランド独自のアートも見逃せません。

体験型展示やインタラクティブな学習スペースも豊富で、家族連れにも大人気。音響効果つきの展示や、触って学べるセクションもあり、五感で楽しむ博物館

美術館そのものも、スペイン・バロック様式の荘厳な赤い石造り。ケルビングローブ公園が隣接しており、散歩も楽しめますよ。

 

参考Webサイト:https://www.glasgowlife.org.uk/

ハンタリアン博物館

(引用元:公式サイト)

グラスゴー大学構内博物館はスコットランド最古として知られ、恐竜の化石、古代ローマ、ギリシャ、エジプト時代の遺跡を展示しています。一方、美術館はホイッスラーやマッキントッシュの作品を中心に約800点を収蔵。マッキントッシュの自宅を再現した、マッキントッシュ・ハウスは必見です。

博物館の名前はスコットランド出身の医師・解剖学者ウィリアム・ハンター(William Hunter, 1718–1783) に由来し、18世紀の医学の実態や人々の探求心が詰まっています。知的な視点でグラスゴーを探求したい人にははずせません。

公式HP:https://hunterianmuseum.org/

リバーサイド博物館(グラスゴー交通博物館)

(引用元:公式サイト)

スコットランドの輸送の歴史を多角的に紹介。蒸気機関車や路面電車、 ヴィンテージ自転車やバイク、 クラシックカーや現代のスポーツカー、船舶、 グラスゴー地下鉄などあらゆる乗り物が展示されています。いま当たり前のように使っている移動手段の背景など知るのは面白いですよね。体験型のブースもあるため、家族ズレでも楽しめます。

設計は世界的建築家 ザハ・ハディッド(Zaha Hadid)による設計。未来的なフォルムは、歴史的な建築様式が多いグラスゴーで独特の存在感を放っています。

公式HP:https://www.glasgowlife.org.uk/museums/venues/riverside-museum

グラスゴーのおすすめスポット(公園・ストリート)

ブキャナンストリート

グラスゴー最大の繁華街で人気の観光スポット。ヴィクトリア建築に囲まれた通りは、歴史とモダンが融合した街並みで石畳が美しいショッピングストリートです。チェーン店など(Starbucks, Pret)から、地元民おなじみの隠れ家的カフェまであるため、観光の合間に一息つけます。ストリートミュージシャンの演奏もあり、グラスゴーのエネルギーを体感できる一番の場所です。

 

クイーンズパーク

グラスゴー中心部から少し離れた南部に広がるクイーンズ・パークは、都会のオアシスといえる癒すのスポットです。公園の中心部にある小高い丘(Flagpole Hill)に登ると、グラスゴー市街やクライド川、ベン・ローモンド山まで一望できます。リスや野鳥など、日本では見られない動物が日常生活に溶け込んでいる風景は、旅行の楽しさを一層引き立ててくれるはずです。

 

グラスゴーの見どころ(その他)

グレンゴイン蒸留所(Glengoyne Distillery)

(引用元:公式サイト)

NHKの朝ドラ「マッサン」日本ウイスキーの父である竹鶴政孝さんが、はじめて修行をした蒸留所として知られています。グラスゴーから車で30分ほど北に進んだ、豊かな自然に囲まれた地域に位置。このピートスモークを使用しない独自の製法で、繊細でフルーティな味わいを生み出しています。ツアー体験も開催されており、お酒好きな人に外せないスポットです。都市部からは離れているため、タロック城やローモンド湖(Loch Lomond)への観光と組み合わせた日帰り旅行にもおすすめです。

公式HP:https://www.glengoyne.com/